意見の対立について

意見の違いがあるときには、「誰が正しいか」を考えてしまいがちです。プレゼン後の質疑応答にしても、質問や意見が出てくるだけで、責められている気分になってしまうことがあります。

ドラッカーは、アメリカの政治学者メアリー・パーカー・フォレットの考えを引用して、意見の違いがあるときには、誰が正しいかを考えるのではなく、全員が、違う問題に対して正しい答えを述べていると考えるべきだと言っています。
(今日もまた、『非営利組織の経営』からです。)

ここで思い出すのは、どこで見たか忘れてしまいましたが、目隠しをした複数の人が、それぞれ象の違う部分を触りながら「(鼻を触っている人)これは蛇のような生き物だ」「(背中に乗っている人)これは山のようだ」「(尻尾の先を触っている人)これには毛が生えているぞ」…といったように、違う意見を言っている図です。

全体像(象)が見えたとき、全員が「やっぱり自分の意見は正しかった」と言えるかどうかは怪しいですが(おそらく言えないでしょう)、ここで大切なのは、意見が違う段階で、それだけを以て「誰が正しいか」という議論をしても意味がないということだと思います。

まずは「全員が正しい」という視点に立ち、物事の全体像を把握する。正しいかどうか(というより、自分たちはそれをどうとらえるのか)は、全体像が明らかになってから考えるべきなのかもしれません。

「意見の対立とは意見と意見の対立ではないのである。よき信念とよき信念との対立である。」

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

HOWのチカラ

「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力

「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力

社会人1年目に読んだ本を、読み返しています。
今はこちらの、新訳版が出ているそう。(こちこちマインドセット→硬直マインドセット・・など、若干訳が変わっています。)

マインドセット「やればできる! 」の研究

マインドセット「やればできる! 」の研究

「こちこちマインドセット」は、自分の能力は固定的で変わらないという考え方。
「しなやかマインドセット」は、人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができるという考え方。

当時は相当な衝撃で、「こんな考え方(しなやかマインドセット)があるんだ!!」と感激し、OG訪問に来てくれた後輩に薦めたりしていました。衝撃だったということは、そういう考え方をほとんどしていなかったのでしょう・・・。

そこから、自分の思考を変えるためにしたことが、「HOW」をつけたすことでした。

今の自分にできることか?=Can I ~?という問いが浮かんだ時は、先頭にHowをつけて、How can I ~?=どうすればできる?に変えてしまいます。これが当時の自分には結構効果的で、自分の能力は固定的である、という見方を崩してくれた気がします。

社会人10年目。
自分の限界が見えてしまって、知らず知らずのうちにCan I ~?で判断していないか?

あらためて、自分の思考を振り返ってみたいと思います。

変化を起こす

1.良いアイデアであればみんなに受け入れられる
2.新しいアイデアを紹介すれば、あとはなにもしなくてよい

アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン』に挙げられている、変化を起こす要因について、多くの人が持つ共通の誤解です。多くの人が・・・と書きましたが、もちろん私もその一人。ううん、まさに・・・という感じ。

ここしばらく、二の足を踏んでいることがあるので、そんな自分へのメッセージです。

本日は短めに。

Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン

Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン

なんのための読書か

今日は仕事終わりに、読書会に参加してきました。
この読書会、詳細はまた書きますが、本当におもしろい。

ちなみに課題図書はこちらです。
今夜は2章までを、参加者で分担して読みました。

あなたへの社会構成主義

あなたへの社会構成主義

私の場合、こういった本を読むときは、理解できない単語や概念が出てくると、前後を読み返したり、ネットなどで調べたりしてしまいます。結果的に、なかなか前へ進まず、挫折し、積ん読と化す・・・というのが日常茶飯事。

この読書会では、短時間で自分のパートを読み、それを手書きでB5用紙にまとめ、2分間でプレゼンします。伝えられる内容が限られるため、「全体の流れをつかむ」「(自分が)大事だと思う箇所を抜き出す」ことを強く意識しながら読むことになります。

内容の取捨選択です。
ここでもやはり、「捨てる」ことが求められます。

細かい点を理解するより、全体像をつかむこと。
理解した内容を元に、他者と対話すること。
ある部分を「諦める」ことにより、本来の「本を読む目的」に少し近づけている気がします。

「やらなくていいこと」を見極める

ドラッカーによると、非営利組織は、収益のために動いているのではないからこそ、「企業よりも意識して体系的な廃棄を行う必要」があります。

最近聞いた話では、日本のマネージャーは「やったほうがいいこと」を見つけるが、アメリカのマネージャーは「しなくてよいこと」を見つけるのだそう。

前例主義に陥っていないか。
仕事を(必要以上に)やりすぎていないか。

本来の目的、ミッションに手をつけられる余裕を、常に持っておきたいと思います。

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営